『トゥールーズ=ロートレック』展

2011年10月13日(木)~12月25日(日)@三菱一号館美術館

三菱一号館美術館所蔵のトゥールーズ=ロートレック(1864-1901)によるポスター及びリトグラフは、ロートレック自身が生前自分のアトリエにおき、今日までそのまま伝えられた貴重なコレクションです。この作品群を画家の没後に引き継いだのが、青年時代からその活動を常に支えた親友の画商モーリス・ジョワイヤンでした。彼は生前にロートレックの展覧会を開催し、画家の早世後は遺産管理者となって、生地である南西フランスの古都アルビに画家の名を冠した美術館を設立することにも尽力したのです。

当館所蔵のトゥールーズ=ロートレック作品を紹介する初の展覧会となる本展では、19世紀末パリ、モンマルトルを華やかに描き出した代表的なポスターや、 画家の芸術の革新性をもっとも顕著に示すリトグラフの数々から、およそ180点の作品を選りすぐって紹介します。 ロートレック自身が手元に残したこの作品群の中には、革新的な版画制作の過程を示す試し刷りや希少な刷りのリトグラフなどに加えて、身近な人へ向けた献辞 やサインのある作品、そして親しい友人たちを招いて自身が料理を振舞った晩餐会のための自作の招待状やメニューカードなど、ロートレックの私的な生活とその交友関係を垣間見ることのできる貴重な作品が数多く含まれているのが特徴です。本展では、これらのまとまったリトグラフコレクションを通じて、ロートレックの独自性と、現代にも通じるグラフィック・アーティストとしての造形感覚を検証します。

また本展では、三菱一号館美術館とアルビのトゥールーズ=ロートレック美術館との姉妹館提携を記念し、三菱一号館美術館所蔵のポスター・版画コレクションに加えて、ロートレック美術館より、家族と過ごしたアルビ周辺での日々やジョワイヤンとの友情を示す油彩等を展示し、画家の心の拠り所であった故郷アルビの街とパリ、モンマルトルの歓楽街での創作活動を対比的に再構成して紹介します。

世紀末パリの退廃的な夜の世界に浸った「呪われた画家」という、ロマン主義的な画家像とはまた異なる、親しみ深い様相に溢れた新たな「ロートレック」の世界をこの展覧会で発見していただけるものと願っています。